2010年6月30日水曜日

手放し (Video)

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フリッカはフル・キールだ。バランスが取りやすい。

フォアとメインのセイル面積のバランスを取ればティラー(舵)と格闘する必要はない。

ティラーをせいぜい指2-3本で操作できる状態にセイル面積のバランスを取るのがフリッカ・セイリングのコツだ。手放しで、直進も出来る。

***

基本的には風が強くなりウェザー・ヘルムを強く感じるようになったら、フォア(ジブ、ジェノアなど)に対しメインの面積が大きすぎるということなので、メインをリーフする。

逆にルー(リー)ヘルムを強く感じるようになったら、相対的にメインの面積が不足しているということで、メインのリーフを解くか、強風の場合には逆にフォアの面積を減らす(フォアもリーフするか、ステイスルなど小さいセイルに交換する)。

ティラー(舵)にしがみついてティラーと格闘する、つまりティラーに負担をかける帆走は好ましくない。

(ビデオはPSC製434艇中295番 Serenity です。)
www.yachtworld.com キーワード欄にFlickaと入れてサーチ・ボタンをクリック。

2010年6月29日火曜日

タックして南へ (Videos)

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今年の週末は例年になくセイリングを楽しんでいるボートの数が多い。

(セレニティーのマリーナでも特に昨年のシーズン終了後から今年シーズン前にかけて新入艇が目立っていた。ベイエリアでは5-6年周期で新オーナーの割合が増えるのかも知れない。それとも経済が上向いて来たのか。)

ベイ・ブリッジをくぐってセントラル・ベイに行くとアルカトラズ近辺で20-25ノットの風があるが、出航回数170を超えて、最近余程のことがない限りそこまで脚を伸ばすことがなくなった。サウス・ベイで十分楽しめる。



北西の風約15ノット、メインは依然シングル・リーフで艇速4.7-5ノット。
撮影アングルを少し変えてみた。

(ビデオはいずれもPSC製434艇中295番 Serenity です。)
フリッカ・ホームページにある、今売りに出ているフリッカのリスト

2010年6月28日月曜日

短いビデオ2本 (Videos)

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風はさらに西へ回り、約15ノット。パフは17ノットを超える。

セカンド・リーフ用のライン(赤)を引きすぎて帆端をピンチしてしまっている。約1インチ半緩めるだけで直るが、それより少しウェザー・ヘルムがきつくなってきたのでそろそろメインをリーフした方が良いようだ。



メインをシングル・リーフした。バランス良く手放し直進。

(ビデオはいずれもPSC製434艇中295番 Serenity です。)
USヤフー・フリッカ・グループ

2010年6月27日日曜日

6月26日土曜の風 (videos)

マリーナを出て北0.75マイルの地点まで、北東の風3-5ノット。それでも涼しく心地良い。1時間近くのんびりしていると、夏のSF湾の定番どおり、2時をまわって西風がビルドアップし始めた。

下のビデオ3本、10、12、14ノットとフリッカにうれしい風になって行く様子。

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フル・メイン、フル・100%ジブ。北北西の風10ノットに変わり、やっと通常のポート・タックとなったところ。



風、12ノット。フリッカの調子が出てきた。



殆ど西風、13-14ノット。快調。セイルはまだどちらもフルのまま。

(ビデオはいずれもPSC製434艇中295番 Serenity です。)
日本のヤフー!フリッカ・グループ

2010年6月26日土曜日

ニューヨークのジョウヒー

(今日の写真はクリックしても拡大しません。悪しからず。)

新オーナーに引き取られる前、
大西洋岸コネチカット州 [ロウウェイトン] に係留中のジョウヒー。











新しいホーム・ポートは五大湖のひとつオンタリオ湖東岸、ニューヨーク州 [ケイプ・ヴィンセント] になるそうだ。






以前にも書いたが北米ではこのようなスタンド(ブラウネル・スタンド)を使う。

フリッカの場合通常左右に2本づつ、バウに1本、計5本を使う。バウに当てるスタンドはパッドがV字型。左右のスタンドは対にして使い、必ず対舷のスタンド同士をチェインで結んでからクレーンのストラップを外す。尚、艇の重量はキールの下に当てた大型の木のブロックで支えている。スタンドは艇が倒れないように支えるサポートだ。

(写真はPSC製434艇中202番目、1983年製 JoHee です。)
フリッカ・ホームページのフリッカ・データベースにある同艇の紹介

2010年6月25日金曜日

プルピット・レイル

PSCファクトリー・フィニッシのフリッカには洩れなくプルピット・レイルが付いている。

[サノマジック] でのリストアを終えてマリーナに仮係留されたトトロ(これは末四郎氏撮影)。






1980年代後半以降の艇では水平のパイプがこのように中間にも入っている。バウ・プルピット・レイルだけでなく、スターン・プルピット・レイルもライフラインも必ず2段式。

それまでの艇では1段式(例は [こちら] )。ただし、ライフラインだけ2段式の場合もある。

このトトロのバウスプリットとプラットフォームは [新作] 。わずか4cm未満と思うが、プラットフォームがバウスプリットの上に乗った分、レイルの描くラインが高くなり精悍さを増したように感じる。

(写真はPSC製434艇中360番目 Totoro です。)
トトロ進水
トトロ号海へ帰る

2010年6月24日木曜日

フリッカのバウスプリット

機能的に理にかない見た目にも美しい優れたセイルボートのデザイン(設計)はアートとサイエンスの融合で生まれる。どちらが欠けても成り立たない。バウスプリットも付属的とは言え船体同様大切なデザインの一部だ。

PSCフリッカのバウスプリットには通常アンカーも収納できるプラットフォームとクルー転落防止のためのプルピット・レイルが付いていて、実用プルピットとしての機能を満たしている。

これはプラットフォームとプルピット・レイルを外して裸にした状態。








フリッカ・サイズのセイルボートに付けられたイギリスの伝統的なバウスプリットと比べるとその違いが顕著に見て取れる。長さが短めであることと、海面に対して平行ではなく、シアーラインに沿ってそのまま前方に上昇していること、の2点だ。

キャラウェイのオーナー、アンガスはイギリス人。

小さい頃から見慣れたスプリットの方がしっくりするのだろう。このようにイギリス伝統のスプリットに換装した。




PSC製より少なくとも30cmは長い。その分ジブのセイル面積を大きく出来る。これだけ長いと確かに海面に平行になるようにした方が、機能的にも美観的にも座りが良いようだ。

ジェノアとステイスルを装着。










イギリスの往年の漁船コーニッシ・クラバーをモデルにした [同名のヨット] 、その一流のオーストラリアのヨット [クータ・ボート] などに見られる伝統的なスプリットの形状を見事に復元している。

アンカーはスプリットの下に固定。









錨泊時は両舷のバウ・レイル上にあるチョック(フェアリード)を通して出した [ブライドル式アンカー・スナッバー] を使っているようだ。ブライドルやスナッバーはアンカー・チェインに掛け、チェインと艇の間のショック・アブゾーバーの役目をする。ノイズが減るのは無論、走錨防止にもなる。

イギリス流バウスプリットに対しPSCのデザインは短かめのスプリットをあえて海面と平行にせず、シアーラインの延長のようにそのまま前方へ伸ばしている。プラットフォームやプルピット・レイルと一体になるスプリットとして理にかなっているようだ。

無論フォアステイの基盤を艇の前方に出してセイル面積を増やすというのがバウスプリット本来の機能だが、アンカー・プルピットも提供した上、装着したプルピット・レイルのアウトラインを利用して、見た目も美しく仕上げている。

バウスプリットはフリッカにはなくてはならないものだが、それぞれ機能的にも美観的にも成功例と言えるだろう。

(写真はいずれもPSC製434艇中423番目 Caraway です。)
キャラウェイ・ホームページのバウスプリット・プロジェクト

2010年6月23日水曜日

キャラウェイのセイル

タンバーク色セイルのキャラウェイ。

これはメインとジェノア(アウター・ジブ)。









ステイスル(イナー・ジブ)。バウスプリットは特製で長い。そのため通常のフリッカのステイスルよりタックが約30cm前に出ている。その分セイル面積も広い。

オーナーのアンガスの経験によると、ジェノアとステイスルを同時に張り、カター・リグのように走ることにあまり利点はないという。








2枚張りをする時はジェノアは部分的に巻き取る。つまり、ヘッスルをステイスル1枚だけにするには風が弱く、逆にジェノアだけにするには風が強すぎる時に部分的に巻き取ったジェノアとステイスルを同時に張る。

しかし、上りでは部分的に展開したジェノアは効果的ではない。故にもう少し小さいジェノアを作ろうかと思案中だそうだ。

***

尚、このステイスルを作ったセイル・メーカーによると、ステイスルのセイル・シェイプを最大限効果的にするには、ステイスル用シート・トラックをキャビントップに装着することが必要。

(写真はいずれもPSC製434艇中423番目 Caraway です。)
キャラウェイ・ホームページ

2010年6月22日火曜日

コックピットからの眺め (Video)

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南西からの風。右舷からの波のスプレイを避けようと少し上り角を詰め過ぎ。あと5~7度位針路をリーの左舷側に落とせばメインのバタつきがなくなる。

(ビデオはPSC製434艇中295番 Serenity です。)
USヤフー・フリッカ・グループ

2010年6月21日月曜日

フォアデッキからの眺め (Video)

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足先が見えている。失敬。

(ビデオはPSC製434艇中295番 Serenity です。)
フリッカ・ホームページ

2010年6月20日日曜日

6月19日土曜日の風 (Video)

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バウスプリットからの眺め。干潮が終わりいよいよ潮が戻ろうという時。いつもより波が高い。

(ビデオはPSC製434艇中295番 Serenity です。)
日本のヤフー!フリッカ・グループ

2010年6月19日土曜日

チェインとラインのスプライシング

昨日見たマリーナ・デル・レイのノウマッドは、アンカー・ロード(チェイン + ライン)をデッキ下のチェイン・ロッカーにしまうための開口部、ハウザー・パイプが旧式の小さな円形。

そのためか、シャックルで繋いだチェインとラインの接合部がパイプに引っ掛かかり、スムーズに出し入れできない。



ラインを引き出して接合部を観察。ライン(ロープ)には金属のシンブルを入れて輪をつくり、シャックル2つでチェインをラインに繋いである。


シャックルを外し、ラインの先端部(シンブルの入った輪 + スプライスした部分)を切り取った上で、チェインとラインを直接スプライスして繋げばアンカー・ロードの出し入れが楽になりそうだ。

ラインを通常のスプライス同様に準備。










スプライス自体も通常のラインだけのスプライス同様、三つ編みの要領でチェインに通し締め込んで行く。














最後は先端を細紐で固縛。











これでチェインとラインの繋ぎ部分がハウザー・パイプに引っ掛かることもなくスムーズに出し入れできるようになったそうだ。

尚、PSC製フリッカでは極く初期の艇を除き、ハウザー・パイプは下の写真のように楕円形を使っている。

シャックルとシンブルで繋いであっても特に不都合はない。






↑ この手動のウィンドラスを搭載したフリッカは先日見た [ニーナ]

(写真上5枚がPSC製434艇中054番 Nomad、下1枚は424番 Nina です。)
フリッカ・ホームページにあるノウマッドのブログ

2010年6月18日金曜日

アンカー・スウィヴル

マリーナ・デル・レイのフリッカ 『ノウマッド』 では、プラットフォーム本体とプラットフォーム右舷中間に設置してあるアンカー・ローラーが、PSC標準装備のものではないようで、形状が少し変わっている。

その形状のせいか、アンカーの出し入れがスムーズに行かなかったらしく、このようにプラットフォーム先端に別のローラーを装着した。


これで問題はかなり改善されたという。しかし、まだチェインとアンカー本体を繋ぐ 2+1/4インチのシャックル2本がローラーに引っ掛かり、アンカー・シャンクがすんなりプラットフォームに揚がってこない。

そこで2本のシャックルの代わりに、イタリア製 [コング] ブランドのアンカー・スウィヴル (anchor swivel) を付けた。



これでプラットフォームへのアンカー・シャンクの乗り降りがスムーズになったそうだ。

***

そもそもスウィヴルとはその名の通り、二つのパーツを繋いだ部分が360度クルクル回る品物。

アンカー1本で錨泊すると、艇は風の影響でどうしてもアンカーを中心に右に左に振れる(船体に当たる風でセイリングしている状態)。強い風で左右に振れる時には、アンカーがひっくり返り、走錨の原因にもなる。

スウィヴルが付いていればアンカー・チェインのねじれによる影響が緩和されアンカーがひっくり返りにくくなる、というアイデア。

アンカー・シャンクのプラットフォームへの乗降もスムーズになるというのは余禄と言って良いだろう。

***

アンカー・スウィヴルには多くのメーカーがあり、例えばアンカーを巻き上げるウィンドラスで知られるノルウェーの [アンカーリフト] でも出している。

(写真はいずれもPSC製434艇中054番 Nomad です。)
フリッカ・ホームページのデータベースにあるノウマッドの紹介

2010年6月17日木曜日

別れがたい

つい先日書いたように [#424 ニーナ] のオーナーは一週間も経たない中に売るのをやめた。

大人二人と大型犬2匹には手狭という理由で売りに出していたシアトルの [#340 トゥーカン] も売るのを止めた。売ってしまうと郁々後悔するのではないかと、売りに出してから一ヶ月間モヤモヤしていた気持ちを整理してスッキリ。これから夏をうんと楽しむという。

シアトルの東、[ワシントン湖] のカークランドにある公共ドックに係留して一休み。













オーナーとはいうものの、セイルボートとオーナーの関係は愛する家族の関係に近い。





フリッカのオーナーには自分のことをオーナーではなく、ケアーテイカーと呼ぶ人もいる。

世話をし、面倒を見る。そうすればするほどセイリングも楽しくなる。

(写真はいずれもPSC製434艇中340番 Toucan です。)
Toucan ホームページ 左のメニューの Blog をクリック。

2010年6月16日水曜日

ミシガン州の自作フリッカ

[2008年11月に見た自作フリッカ] の艇全体の写真が出た。

マストやブーム、スタンディング・リギングはないが、ハル、デッキ、インテリアはほぼ完成している様子。


ディーゼル船内機はウェスタービークの7馬力という。






トランサムにある三つの孔の中、一番下、フラップの付いた孔がエンジン・イグゾーストだろうか。

一番上の写真でも下の写真でもハルのボトムにコックピット排水用のスルーハルは見当たらない。ラダーを挟んで両側にある2つの孔が排水口らしい。

それにしてもエンジン冷却水の取水口はどこにあるのだろう。

コックピット・シートの背もたれ部分はハルと一体化したような個性的なコーミングになっている。



トレイラーも自作らしい。フラットベッドに H 鋼のキール受けやビーム、スタンドを溶接したようだ。

コンパニオンウェイには縦に三つ折りのアコーディオン式ドアがある。ルーヴァー式換気口が一杯ついているので通気は良いだろう。しかしこのドアはマリーナ係留中だけのものと理解したい。

コックピットからコンパニオンウェイを経てキャビンに入る水はセイルボート沈没の大きな原因のひとつだ。これでは荒天時に水を堰止められない。このまま沖に出るのは危険だ。ブリッジデッキもなく追波などでコックピットを襲った水はいとも簡単にキャビンに入ってしまうだろう。



コックピット・コーミングを上から見たところ。

フォアのエンドがハウスと殆ど直角。



大きくヒールした時サイドデッキを勢い良く流れてきた海水が壁にまともに当たることになる。水をアウトボードに受け流すために斜角かカーブをつけるべきだろう。

今も売りに出ているが、バイヤーは沖に出る前にこのコーミングのフォア・エンドを改善し、コンパニオンウェイにはぜひ内側から固定できる差し板をつけて欲しい。

(写真はいずれもミシガンで建造の自作フリッカです。)
www.yachtworld.com キーワード欄にFlickaと入れてサーチ・ボタンをクリック。(この自作艇は2006年PSC製とあるがPSC製にあらず。)

2010年6月15日火曜日

イギリスに戻ったキャラウェイ

数年地中海で過ごしたキャラウェイも、昨年の [シーズンの終わりにイギリスに] 戻って久しい。

しかしやっと雨季が終わったので今シーズンの準備に熱が入っている。

以前書いたように [バウスプリットは特製] だが、両舷ティーク・レイル上のクリートもユニークだ。




マストも補修。PSC製フリッカのマストは1980年代終わり頃までKenyon社製、その後はLeFiell社製。これは後者。べイル(U字型金具)の付いている方がフォア(前)。












これだけ艶出ししたラダー・チーク (Rudder Cheek) は他艇では見たことがない。















プロペラ・シャフトのジンクも交換。










このダーグロー社製3枚羽根フォールディング()・プロップについては [こちら] 。 ピッチ8、直径12インチと思われる。

* 後日註: このダーグロー社製品は羽根を折り畳むフォールディング式ではなく、抵抗を少なくするために羽根の向きを変えるフェザリング式の様だ。


(写真はPSC製434艇中423番 Caraway です。)
キャラウェイ・ホームページ

2010年6月14日月曜日

6月13日日曜日の風 (Videos)

家に居ると優に85度F(32度C)はある暑い日。こういう日は海上に出るのが一番。

* 画面が黒くなっている場合でも、スタート・ボタンをクリックされ度。
* Click "Start" button on the viewers, even when they show nothing but pitch black. Videos will play.



干潮の後の満ち潮で水が濁っているが、贅沢は言えない。こういう時は釣り船が多い。しかし、釣り船に負けず、サウスベイでも20杯ほどのセイルボートが出ていた。やはり暑さ凌ぎかな。

風はほどほどしかない。撮影時10-11ノット。ジブもメインもフルで走るが、逆潮のため対地艇速3.5~3.7ノット。



涼むのが目的でのんびりと同じ海域(片道2マイル)を何回か往復して過ごした。

(ビデオはいずれもPSC製434艇中295番 Serenity です。)
フリッカ・ホームページにある、今売りに出ているフリッカのリスト

2010年6月13日日曜日

エコー・フレンドリーなヘッド

以前エアーヘッドと呼ばれるエコー・フレンドリーなヘッド(トイレ)搭載のフリッカについて書いた。使用時に大と小を分け、小は気密のタンクに、大はコンポースト・タンクに入れて有機的に土に返すというヘッドだ。

そのフリッカのレイアウトはいわゆるオープン・レイアウト型で、[エアーヘッドをVバースに設置] していたが、一昨日見た [ニーナ] のオーナーは個室中のマリーン・ヘッドをエアーヘッドに換装した。

換気(エアー抜き)用の通気口を船体のどこに開けるかは、エアーヘッド装着の際のひとつの大きな問題だが、ニーナでは個室ヘッドの換装時、この問題をうまく解決している。

通常のヘッドより少し高く少しフットプリントが大きい。

下前方にある小用(液体用)タンクは満杯で5~6kg。大用のコンポースト・タンクは、丸々1年使っても満杯にはならないという (シーズン中のセイリングや2~3週のバケーションを含む通常の使用頻度の場合)。

今までのクルーズには必ず3~4日毎にパンプアウトできるよう、設備のあるマリーナを事前に調べて旅程に組んでおく必要があったが、それから解放された。




ヘッドの臭いは一切ない。

右舷の壁に向かって伸びているグレーのホースが換気ホース。














ホースはヘッド後ろの収納スペースを抜け、ハルの内側に沿ってコックピット・ロッカーの中へ。

ハルにねじ止めした黒いタイを使ってハルに固定している。手前の接合部にあるものは0.08 ampの換気扇。



換気扇はエポキシでハルに接着した合板に装着。換気扇のスイッチは常時オンにしておく必要があるが、仮に陸電などでバッテリーを全く充電しなくても少なくとも2週間はバッテリーがあがることはないという。(エアーヘッドではソーラー・パネルを利用して充電する換気扇も売っているそうだ。)

ホースはトランサムに開けたスルーハルに接続。







追波などで外から水が浸入することがないように、一度コックピット・コーミングの中へ大きく上昇させている。

外はシェルでカバー。

















通常のヘッドのためのマーシレイター、配管、およびタンクは全て取り払ったので、収納スペースが大きくなった。


尚、ボトルの後ろにあるのは陸電によるバッテリー充電用のAC/DCコンヴァーター。

他の写真や設置方法など詳しい説明はPDFファイルにまとめられている。USヤフー・フリッカ・グループ・サイトの「ファイル」の中にポストされているが、コピーして日本のフリッカ・グループ・サイト(リポジトリー・サイト)にもポストしておいた。

追記: 20数時間後、フリッカ・ホームページでも読めるようになった。下3番目のリンク。

(写真はいずれもPSC製434艇中424番、1994年製の Nina です。)
USヤフー・フリッカ・グループ
日本ヤフー・フリッカ・グループ
フリッカ・ホームページにある同記事

2010年6月12日土曜日

黄色いハルのノウマッド

(本日の写真はクリックしても拡大しない。あしからず。)

ノウマッドと言う名前はポピュラーな名前と見える。同じ名前でも [マリーナ・デル・レイのノウマッド] のハルは白い。

この黄色いハルのノウマッドはロサンジェルスの南端サンペドロのマリーナに係留中、2008年に撮影されたもの。マリーナ・デル・レイのノウマッドとは別艇。

カリフォルニア船籍登録番号は無論、ポート(窓)の仕様も異なる。








ポートは1970年代末~1983年頃にオプションだった長方形のブロンズ製で、90年代の長方形ブロンズ製ともまた異なる。

ロサンジェルス西北西(サンタ・バーバラの南)、チャネル諸島 [アナカパ島] に錨泊中の同艇。






乗っているのは当時20歳の青年。両親と共にニューヨークからLAに移住して来て以来、セイリングを楽しんでいた。






こうして経験を積んだ冒険好きなこの青年は世界一周長期クルージングを計画。







2008年10月、南へ向けてサンペドロのマリーナを出航。 しかし、LA沖のカタリナ島を経て、メキシコのティワナ、エンシナダなどバハ・カリフォルニアを南下した記録はあるが、その後ブログの更新はない。


今でも世界のどこかでゆっくりとクルーズを続けているのだろうか。

(写真はPSC製434艇中番数未確認、Nomad です。)
黄色いハルのノウマッドのサイト

2010年6月11日金曜日

ニーナ

東海岸メリーランド州ロック・ホールのフリッカ、ニーナ。ヘッスル2枚のカター・リグ。

90年代の艇なのでブロンズ製ポートが長方形。フォアデッキに見えるのは手動ウィンドラス(Simpson-Lawrence HySpeed windlass)。













フリッカに家族で乗って楽しんできたが、子供2人が大学生と高校生になり、4人でセイルするには手狭になってきた、ということで大きい艇に乗り換えるため6月3日売りに出された。

写真のサイトもつくり、USヤフー・フリッカ・グループに投稿し、フリッカ・ホームページの売りに出ているフリッカのリストにも掲載してもらった。

その後お別れの前に愛艇と共に最後の時間を過ごそうと2日間乗って感じるところがあり、6月8日には売るのをやめてしまった。大きくなった子供たちにはフリッカを手狭に感じても慣れてもらうしかないそうだ。やっぱり売らない、と決心して心が落ち着いたという。

サイド・デッキ。外側(ティーク・レイル上)のシート・トラックはジェノアなど大型ヘッスル用。内側(サイド・デッキ上)のものはステイスル用。












ステイスル・シート(グリーンのライン)を留めるため、コックピット・コーミング上にカム・クリートを装着してある。

ステイスルはセイル面積が小さいのでウィンチを使う必要はない。






尚、ニーナの旧名は [ムーンシャドウ]

(写真はいずれもPSC製434艇中424番、1994年製の Nina a.k.a. MoonShadow です。)
フリッカ・ホームページ

2010年6月10日木曜日

コネチカットのフリッカ

いつ撮影された写真かわからないが手入れの良いフリッカだ。

船籍番号の頭がCTなので、ニュー・イングランド地方、コネチカット州の艇だと分かる。





フォアワード・ハッチはオプションのティーク製。ということは、ドジャーで良く見えないが、コンパニオンウェイのスライディング・ハッチもティークでカバーされているのかも知れない。(しかし、その前のシー・フッドがファイバーグラスなのでスライディング・ハッチもグラスの可能性が大。)

ハルにティークのラブ・レイルが付いているので1970年代~80年代初頭のフリッカではない。またブロンズ製ポート(窓)が楕円形なので90年代の艇でもない。1980年代半ば~後半の艇だろう。

スターンからラインが伸びているのが見える。ディンギーを曳航中らしい。

(写真はPSC製434艇中、番数および艇名未確認のフリッカです。)
www.yachtworld.com SEARCH ボタンの上の欄に Flicka と入力して検索するとリストアップされます。

2010年6月9日水曜日

南へ (Video)

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南に快ち良い走りを続ける。ヒール角は約15度。

30フィート艇は南東に針路を変えた。楽しかったよ、ありがとう。

(ビデオはPSC製434艇中295番 Serenity です。)
フリッカ・ホームページ

2010年6月8日火曜日

併走 (Videos)

風速11.7~12.1ノット。春風、秋風のような感じ。

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艇速5.5~5.7ノット。シングル・リーフ・メイン + フル・ジブ。



艇速5.7~5.9ノット。大体ハル・スピードだ。(ゾーンに入ったが風が強まりそうもないので、メインのリーフを払って両セイルともフル。)

併走しているのは30~32フィートのフル・キール艇。喫水線長(LWL)は26フィートはあるだろう。その分、早い。フリッカと比べると、ハル・スピードで約1ノットの差。ちなみにフリッカのLWLは18フィート2インチ。

ハル・スピード = 1.34 x √LWL (LWLの平方根。LWLの単位はフィート。)

(ビデオはいずれもPSC製434艇中295番 Serenity です。)
フリッカのスペック

2010年6月7日月曜日

サウス・ベイにもセイルボートが多い (Videos)

すがすがしい天気を楽しんでいるセイラーたち。夏のサンフランシスコには珍しい10-12ノットの穏やかな風とあいまって、何か他の場所でセイリングしているような不思議な感じ。

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両セイルともにフル。



すでにゾーンに入っている前方の艇のヒールの様子から、風が強くなることを期待してメインをシングル・リーフした。

(ビデオはいずれもPSC製434艇中295番 Serenity です。)
日本のヤフー!フリッカ・グループ

2010年6月6日日曜日

6月5日土曜日の風 (Videos)

空気の澄み切った、真っ青な空。カリフォルニアの夏だ。海上は寒くなく、暑くなく、肌を撫でる風が実に心地よい。

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ベイ・ブリッジの向こうはSF湾のセントラル・ベイ。セントラル・ベイを西から東へ流れる白い霧。しかし、今日は霧の中ですら視界はさほど悪くなかった。セレニティーはブリッジを背にサウス・ベイを南に向かう。



メインもジブもフル。北北西の風約10ノット、艇速5.1ノット。ほとんどスラック・タイドで潮の影響はない。波もほとんどスターンから寄せてラニングのような静かで心地良い走り。空気が澄んで海も青い。言うことなし。

(ビデオはいずれもPSC製434艇中295番 Serenity です。)
USヤフー!フリッカ・グループ

2010年6月5日土曜日

コックピットのないフリッカ - リストア進行中 7

ファイバーグラスの積層。

両舷のコックピット・シート、およびシート間のブリッジをカバーしている。







[前回] はコックピット・シートにグラスを裁断して載せただけだったが、これはグラスをエポキシーで浸してエアー抜きし、エポキシがキュア(固体化)した状態。ペッタリと半透明に固まっている。

キュアした後、グラインドして均す。

良質のレスピレーターは必須。ゴーグルも付けた方が良い。











ラザレット(ロッカー)周りの詳細。エポキシとグラスで同様にカバーして行く。

作業途中らしく、内枠のトップや内側はまだカバーされていない。










ラザレットの蓋はどうなるのだろう。溝に嵌めて単純に被せるだけなのか、それともちゃんと蝶番式になるのだろうか。












グラインドして均した一層目の上にさらに積層するためにグラスを裁断。














(写真はいずれもPSC製434艇中、番数不明、1980年製フリッカです。)
⇒ 進展状況は [ここでチェック]

2010年6月4日金曜日

ジュビリー、ノヴァ・スコーシアへ直行

5月27日(木)朝、バミューダをめざしサウス・カロライナ州 [ビューフォートを出航] したジュビリーだが、2日目にしてエンジン不調となり、風力発電機不調問題も重なった。エンジンも発電機も稼動しないとなると、ソーラー・パネルがあるとは言え、バッテリー充電が十分出来ない。ということで3日目に引き返しで修理することを決断した。大西洋を北西に針路を取り、ノース・カロライナ州サウスポートに向かう。( [サウスポート] はやはり5月27日、別のフリッカ、レインジャーがバミューダに向かって出航した港。)

この写真はビューフォート出航時のもの。









月曜日サウスポート着、火曜にエンジン問題を洗い出した:

メカニックが燃料フィルター(Racor)をチェック。ドロドロした藻やヘドロ状のものが詰まっていた。エンジン(1GM10)本体に付いているフィルターもチェック。これにも僅かながら同じ不純物有り。Vバース下の燃料タンクから軽油をすべて抜いて点検すると、底に同様の不純物が少し。しかし、大した量ではない。

タンクに綺麗な軽油2ガロン(約8リットル)を入れ、軽油がタンク内に落ち着くのを待ち、バケツを用意し、燃料供給ラインにある電動ポンプを使って、バケツ内にタンクからの軽油を渡すテスト。ポンプはレンチでポンと軽くたたくと動くがまたすぐ止まる。

そこでメカニックは燃料供給管の端を口に含み、軽油を吸出しでバケツに吐くことを繰り返す。しばらくしてバケツにヘドロの塊が吐き出された。この塊がタンクの出口にあるL地型のエルボーに詰まっていたのだと言う。良くある問題らしい。

エルボーが詰まっていたこと、タンク内の軽油が汚れていたこと、この二つが原因で電動ポンプに大きな負荷がかかり、作動しなくなり、エンジンに燃料が届かなかった、というのがメカニックの診断だ。ポンプを新品に換装、Racorおよびエンジン本体各フィルターのエレメントも交換。エア抜きの後、始動。回転数もあげてしばらく試運転したところ好調。

風力発電機不調の方は、オン・オフのスイッチを何かの拍子で誤ってオフの状態にしてしまっていたのが原因。

***

もともとの出航が悪天候のため4日遅れ、さらにこの問題で6日の遅れを出したため、バミューダ行きはあきらめ、直接カナダの [ノヴァ・スコーシア] に針路を取ることになった。6月2日(水)サウスポートを出航、4時間半かかって大西洋上、何の障害物もない場所に到達した。風12ノット以上のビーム・リーチ、対地艇速約6ノットで快調。この調子が続けば夜間はメインをシングル・リーフするそうだ。

ノヴァ・スコーシアまで約700マイル、一日80マイルで計算しても、9日で到達できる距離だ。ちなみにノヴァ・スコーシアはラテン語でニュー・スコットランドの意。

(写真はPSC製434艇中418番 Jubilee です。)
サム("ウディ")ノーウッドのブログ

2010年6月3日木曜日

ジブだけでのヒーブ・ツー (Video)

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フリッカは通常メイン(風の強さにより、フル、シングル・リーフ、ダブル・リーフ)だけでヒーブ・ツーする。

ということはジブだけを風下に出してもヒーブ・ツーするのではないか、と試してみることにした。この日はジブをシングル・リーフしてあったので、そのままトライ。バウを風から45度のところに向け、メインを降ろしてジブを出し、ティラーも風下に。

結果、ジブだけでもヒーブ・ツーすることが分かった。

しかし、メインがあるのにわざわざジブだけでヒーブ・ツーすることもない。メインが破損して使えない時や、ダブル・リーフでもきつい時はストーム・トライ'スルを使えば良い。

注: セレニティーのジブはブームの付いたクラブ・フティッド・ジブなのでメインと同じくらいにコントロールしやすいが、通常のジブでは難しいかも知れない。一度試してみると良い。しかし、ファーリング・ジェノアを使ってヒーブ・ツーするのは強風下ではさけるべきだろう。

(ビデオはPSC製434艇中295番 Serenity です。)
フリッカ・ホームページにある、売りに出ているフリッカのリスト

2010年6月2日水曜日

タッキング (Videos)

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SF湾サウス・ベイのメイン・チャネルには荷役順番待ちの本船が錨泊中。ここに錨泊するのは多くはバルク船かタンカー。コンテナ船は直接コンテナ・ターミナルに向かう場合が多い。

ここはベイ・ブリッジまで4マイル弱のポイント。ここでタックして風のある「ゾーン」に戻る。

セルフ・テンディング(セルフ・タッキング)のジブではセルフとは言え、少し手を貸してやるとタックし易い。いろいろ試した結果、このようにヘルムズマン(舵取手)のハーダリー(ティラーをリーへいっぱい切る)の声に合わせ、1本しかないジブ・シートを緩め、バウ(船首)が風上に上ったところで引き戻す。



18.5~20ノットの西風、ダブル・リーフのメイン、シングル・リーフのジブで、対地艇速4.7~5.1ノット。ヒール角は依然約13度しかない。

(ビデオはいずれもPSC製434艇中295番 Serenity です。)
フリッカ・ホームページ

2010年6月1日火曜日

続いて北行 (Videos)

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風は13.5~15ノットだが、ルーティーン・プラクティスで、ジブにもリーフを入れた。これで逆潮1ノット+で対地艇速3.9~4.1ノット。



風のある「ゾーン」を抜けて [ハンターズ・ポイント] 沖の海域に入る。

ビデオでは無理だが肉眼ではベイ・ブリッジの向こう、セントラル・ベイに無数のセイルボートを確認できる。

しかし、ここサウス・ベイはいつも比較にならないほどのんびりしている。隠されたセイリング・ヴェニューだ。

(ビデオはいずれもPSC製434艇中295番 Serenity です。)
USヤフー!フリッカ・グループ