2010年10月31日日曜日

ハンターズ・ポイント (Video)

廃止されて久しい [海軍工廠跡] のクレーンとビル群。



アメリカズ・カップ・フリートのための基地に良いのではと勝手に考えていたが、その役はベイ・ブリッジの麓の [ピア30] 、およびその南のマリーナ(サウス・ビーチ・ハーバー)との間にある海面が担うことで話がまとまったようだ。

チャレンジャーを決めるルイ・ヴィトン・カップ・シリーズは世界各地で、本番のアメリカズ・カップ・シリーズのみSF湾で行う計画という。SF湾でセイルするのはチャレンジャー、ディフェンダー、計2シンジケートだけということになる。

(ビデオはPSC製434艇中295番 Serenity です。)
フリッカ・スペックのページ

2010年10月30日土曜日

バランス (Video)

リーチで走る。風速に対してジブとメインのセイル・エリア(面積)やトリムでバランスを取れば手放しで針路を維持できる。



(ビデオはPSC製434艇中295番 Serenity です。)
フリッカのリグ

2010年10月29日金曜日

オープニング・ポートライトのレンズ交換 4

ポートライトを組み立てる材料が全て届いたので作業にとりかかる。

まず、エポキシをガラスのエッジに塗布した。








ラミネート・ガラス真ん中のPVBシートが湿気で劣化しないための予防。エポキシが完全にキュア(固化)するまで1時間待つ。

エポキシがキュアした後、その上にベディング・コンパウンドを塗り、ブロンズ枠の内側の壁にも少し塗って、ガラスをセット。



ガラスとブロンズの壁の間の隙間はベディング・コンパウンドで完全に埋めた。ガラス受けの部分は見てのとおり滲み出てきたものだけ。

ガラスの上にブロンズの内枠を置いたところ。これをネジ留めする。







ネジのサイズは#5-40-3/8"。(ちなみに1988年製ハル番号366のネジは#5-40-1/2"、つまり長さが1/8インチ長いネジだったとのこと。セレニティーは1984年製ハル番号295だが、ネジの長さは3/8インチ。)

シリコン・ブロンズ製のものをと、ネットで方々探したが、ブロンズ製は径の一回り大きい#6からしかないことが判った。仕方なく新艇時のネジと全く同じブラス(真鍮)製の物を購入。100本1箱で$10.35(送料込み)。ポート6個全部で40本使用。余るが仕様がない。

ネジ留めの後、ガスケット(パッキン)を嵌める。








フラット・ヘッド(マイナス)のドライバーの平たい部分でラバーを押しながら嵌め込む。

白いベディング・コンパウンドはガスケットのベディングと言うより、ブロンズの内枠と外枠の間の隙間、およびネジ込んだネジのヘッド周りの隙間を埋めるために塗布した。

尚、オリジナルのガスケットは断面が3/8インチ(9.5mm)四方の角型だったが、日本のヤフー・フリッカ・グループの先達の方が交換の際直径13mmの円形のシリコン・ラバーを使われたということで、この直径1/2インチ(12.7mm)のシリコン・ラバーにし、16フィート購入。送料込みで$76.25。適切な長さに切りながら使う。

小1個完成。












ガスケットを入れるのに難儀をした。10mm四方の角型シリコン・ラバーならもっと簡単に収まるだろう。

注文時、ラバーの硬度をShore A:55、ミディアム・ハード(車のタイヤより少し柔らかい物)と指定したのが間違いだっただろうか。それよりちょっと柔らかいA:50にしておけば良かったかなと思う。

ラバーのカット部分は水の溜まらない上辺に持って来た。多少隙間が見えるが、心配は要らない。装着時(ポートを閉じる時)は大きな圧力がかかるので隙間は消える。

***

さて大きいポートは周囲が小さいポートのざっと2倍。大変だと思って作業を始めるとガスケットは意外とすんなり収まっていく。

グルーブ(溝)の大きさは同じのはず。改めて計測してみると、幅はやはり基本的に3/8インチ(9.5mm)。だが鋳型が精密でなかったのだろう、数箇所10mmのところもある。

この写真の箇所(光っている部分の右側)だけはカーブがフラットにそがれており、11.5mmもあった。




断面が直径1/2インチ(12.7mm)の円形のラバーにしておいて良かったと思う。

大きいポートではラバーのエンド部分は別だが全般的にドライバーの平面を使って押し込む作業はこのように内側からだけで済んだ。


これだけ嵌め込み易いということは、グルーブの深さも小さいポートのものより若干深いのかも知れない。

ここまで来たら適切な長さにカット。










***

大小とも今週末には艇に装着予定。

(写真はいずれもPSC製434艇中295番 Serenity 関係のものです。)
フリッカのデータベース

2010年10月28日木曜日

アミッドシップからバウへ (Video)

北へ快走。



ジブのリーチをリーフ・ラインでピンチしてしまっている。あと2インチくらい緩める必要がある。

(ビデオはPSC製434艇中295番 Serenity です。)
フリッカ・ホームページにある、今売りに出ているフリッカのリスト

2010年10月27日水曜日

10月25日月曜の風 (Video)

SF湾は10月から4月末頃まで雨の降るシーズン。毎日降る訳ではないが、一滴も降らない夏の5ヶ月間と比べるととにかく長い雨のシーズンだ。

週末も雨だったが、月曜は晴れ。もう2週間もマリーナに足を運んでいないので、ここぞとばかり、セイリングに行くことに決定。



前日まで南風だったがこの日は夏場のような西風となり、10-12ノット。強くはないがこの季節にしては申し分ない。

(ビデオはPSC製434艇中295番 Serenity です。)
フリッカ・パッセージのページ フリッカ各艇の長距離航行記録を載せるページ。

2010年10月26日火曜日

トゥーカン

トゥーカンのオーナーのロン夫婦はとにかく自然が好きだ。ワシントン州の地図がボロボロになるまであちこちの自然公園を海路(フリッカ)、陸路(オートバイ、車)で訪れている。目的地に着いたらディンギーやカヤックを漕いだり、バックパックでのトレッキングなど犬2匹とともにあちこち貪欲に出掛ける。












ボロボロになった以前の地図の換わりに入手した新地図に、今まで気付かなかった小さな島の公園がマークされていたので行ってみよう、と10月最初の週末には [イーグル・アイランド] を訪れた。

島での詳しい様子は一番下にあるトゥーカンのブログへのリンクをクリックされ度。

こちらはその後立ち寄った約10マイル西南西の [ボストン・ハーバー] での同艇。



***

標題とは無関係だが、同艇では最近、個室ヘッド(トイレ)・ドアの立て付けが悪くなり、開閉をスムーズにするため、ドアの下を少しカンナで削り取ったという。家ではあるまいし、立て付けが悪くなって来る事があるのだろうか。












パシフィック・ノースウェストは雨が多いので、もしかしたら木の膨張のせいかも知れない。SF湾のセレニティーでも乾燥した夏場は何でもないが、冬に雨の日が続くとキャビンにあるエンジン・ルームのカバーが外れ難くなる時がある。

(写真はいずれもPSC製434艇中340番 Toucan です。)
Toucan ホームページ 左のメニューの Blog をクリック。

2010年10月25日月曜日

内装クロスの張替え

シアトルのトゥーカンは今年に入ってから何ヶ月もかけて少しづつハルの内壁に張られたクロスを張り替えている。クロスと言っても薄いカーペットのようなもので、20年以上も経つと臭気を吸い込んで、それ自体が臭いの元になるらしい。

Vバース右舷側の張替え。








デッキ下部をカバーするパネル、およびVバース・シェルフ(棚)の上の手摺り状の横木を取り外し、古いクロスを剥がしているところ。

このクロス、造船時にはバルクヘッドやギャリー等、内装の造作の前に張られたという。そのため各舷とも部分部分をカバーするクロスではなく、各舷全体をカバーする1枚つづきの大きなクロスが張ってあり、剥がすのは簡単ではなかったという。

結局シェルフやバルクヘッド等、ティーク材またはティーク・ベニヤ張り合板の造作に沿ってカッター・ナイフで慎重にカットしていくしかなかったようだ。

新しいクロスを張り終えて、デッキ下のパネルを嵌め直したところ。





まだシェルフの上の横木の取り付けは終わっていない。横木は簡単に脱着できる [嵌込み式] (4、5枚目の写真参照)になっている。

クロスの張り直しはこの部分で全て完了。いやな臭いは一掃され、キャビン内に新鮮な空気が漂っているそうだ。

***

デッキ下部をカバーするパネルは合板にビニール張りだ。





80年代後半に入ってから付けられるようになったらしく、セレニティーには付いていない。(この写真は作業前にパネルを外した時のもの。)

***

トゥーカンではクッションのフォームも今年に入って全て交換した。





店に行けば予算に合わせて色々取り揃えてあるようだが、選択したのは毎日毎晩使用しても10年は形がくずれないというこのフォーム。

写真のクッションはVバースの真ん中手前の空間を埋めるセンター・ピース。そのためフォームの下に合板が入っている。

クッション・カバーは何時変えたのか、今回は変えていない。

(写真はいずれもPSC製434艇中340番 Toucan です。)
Toucan ホームページ 左のメニューの Blog をクリック。

2010年10月24日日曜日

ポート・タウンゼントのフリッカ - インテリア

インテリアを見るとこの艇がオーナー・コンプリーション・ボート(キット・ボート)であることが分かる。

右舷側には対面式テーブルとシートを設定。通常はセッティーのある場所だ。







以前取り上げた艇に酷似しているので、[確認した] ところ、やはり同艇だった。プロの仕事らしい仕上がりだ。グリーンで統一された室内のクッションは現オーナーが新調したのだろう。

クォーター・バース入口にもグラッブ・ハンドルが付けてある。バースへの出入りに便利だろう。





ギャリー横にはフォールディング・テーブルも装着されている。

それにしてもたった2シーズンでまた売りに出されたという事か。次のオーナーにはもっと長く可愛がってもらえるだろうか。

(写真はいずれもPSC製434艇中、番数艇名不詳、1979年製のフリッカです。)
www.yachtworld.com キーワード欄にFlickaと入れてサーチ・ボタンをクリック。

2010年10月23日土曜日

ポート・タウンゼントのフリッカ

パシフィック・ノースウエスト(シアトル近辺)はフリッカの多いところ。

この艇は [ポート・タウンゼント] で売りに出ている。









スターンに装着した重い船外機(ホンダ8)が艇のトリムに影響し、バウが上がっている。船外機フリッカのオーナーたちの中には前後のトリム(バランス)を修正するため、バウのアンカー・ロッカーに収納するアンカー・ロードを全部チェインにしている人もいる。

1979年製ながらバックステイは逆Y字型のスプリット・ステイだ。79年には100杯以上のフリッカが造られているが、この艇は79年末期のものではないだろうか。

バックステイはその1年の中に古いものから順に、オフ・センターのミニ・バンプキンに装着したシングルステイ、ミニ・バンプキンをラダーの左右に装着したデュアル・バックステイ、そしてこのチェインプレイトを使った逆Y字型スプリット・ステイ、と変更されている。

(80年代後半以降、チェインプレイト装着のデュアル・バックステイがスタンダードとなった。)

コックピット後端にあるのはガソリン・タンク収納スペース。








船内機のリモート・コントロール・ノブも付いている。もともとはヤンマー [YS8] を搭載していたのだろう。

船外機は比較的安価でパワーもある。フリッカに限らず、メンテの悪さから船内機が使えなくなってから艇が売りに出され、新オーナーがそれを修理するより船外機を購入して取付ける例は少なくない。

***

後記:この艇は [以前取り上げた] 艇であることが判明した。

***

(写真はいずれもPSC製434艇中、番数艇名不詳、1979年製のフリッカです。)
www.yachtworld.com キーワード欄にFlickaと入れてサーチ・ボタンをクリック。

2010年10月22日金曜日

ハワイのリア

アラ・ワイ・ヨットハーバーのフリッカ、[リア] のオーナー、テッド・トゥリマーはエアラインのパイロットだったが、リタイアしてリブ・アボードを始めたという。

ただし自宅はそのままで、艇で日常使わないものはそのまま家に保管してあるという。

フリッカにリブ・アボードする場合、陸にストアレージ、または移動できるストアレージとしてバンのような車が必要というのは大方のフリッカ・オーナーたちの意見の一致するところのようだ。







つい最近船内機1GM10のオーバーホールを開始した。








ハワイは暑くて陽が落ちてからの方が作業がはかどるのだろうか。

(写真はPSC製434艇中415番目 Lea です。)
USヤフー・フリッカ・グループ

2010年10月21日木曜日

スターボード・タック (Video)

昨日のビデオのつづき。夏日のような西風。



遠くに見える青い色の煙はジェット機がSF空港滑走路にタッチダウンした際激しい摩擦で出たタイヤからの煙のようだ。地面に対して流れるように降りるのではなく、ドスンと落ちるように着陸すると出る。

(ビデオはPSC製434艇中295番 Serenity です。)
フリッカのデータベース

2010年10月20日水曜日

ホーム・グラウンド (Video)

10月9日土曜のセイリングのつづき。北北西に進行していつもの海域に戻って来た。



10月16日土曜も同等の風があったが、事情があり出掛けず、家に居た。翌日曜は今年の秋初めての雨。

(ビデオはPSC製434艇中295番 Serenity です。)
フリッカ・パッセージのページ フリッカ各艇の長距離航行記録を載せるページ。

2010年10月19日火曜日

オープニング・ポートライトのレンズ交換 3

ラミネート・ガラスが届いたのでカットを始める。

まずテンプレート(パターン)で面取り。なるべくカット数が少なくて済むように考えて、このような配置になった。

最初にカットしたのは中央部、大小の境を横切っている直線。そこをカットしたらガラスが取り扱いやすい大きさになった。

カットを続け、6枚の長方形のガラスが取れた後、各ガラスの各コーナーを斜めにカット。最後に角をグラインドして終わる。







尚、前回の試し切りの時には表、裏それぞれのガラスにマジックでガイドラインを引いたが、本番ではこのように片面のみにした。

参考までに切る手順は、

(1) スチール定規を当てにして、片面をガラス・カッターでカット(正確にはスコアー = 溝を付ける)。
(2) 裏返して反対面に入れたスコアーの線にピッタリ重なるように、もう片面をガラス・カッターでカット。
(3) 両面ともカットした後、折り取る側をガラス・カッターの端で軽くコンコンコンとタップ。裏返してもう片面も軽くコンコンとタップ。
(4) スコアー・ラインに沿ってスチール定規を下に入れ、スコアー・ラインの両側に上から同等の圧力をかけて、折る。(折れない時は無理をせず、裏返して反対面から先に折る。)
(5) 裏返して、もう片面も同様に折る。(注:1枚ガラスのようにパキッと折れる訳ではない。折ると言ってもスコアーの線が僅かに広がったように見える程度の時も多い。それで充分。真ん中のPVBシートでつながっているのでポロンと下には落ちない。)
(6) PVBシートはカッター・ナイフで切り取る。この際、1回で切ろうと思わず3回位繰り返して引いて切り取るつもりで。尚、PVBは必ず同じ側からカッターナイフを走らせる。切り取れるまで裏返さない。 (両側から切ると必ずズレが生じてカットが難しく、切り上がりも汚くなくなる。)

カットでおよそ形が出来たら、グラインダーで角を落とし、カーブに沿って仕上げる。

1枚完成。

不意に割れたり欠けたりしないように注意しながら、カットとグラインドでここまで仕上げるのに1枚2-3時間かかる。


おそらくプロでもレーザー光線でカットする特殊なツールを使わない限り平均1時間はかかるのではないか、と思った。

PSC(パシフィック・シークラフト)製フリッカでは長方楕円形(陸上競技場のトラック形)のブロンズ製ポートは1978年頃からオプションで使われ始め、83年後半から5年程はファクトリー・スタンダードになっていた。ところが89年になって長方楕円形は廃止され、長方形がスタンダードとなった。この変更はフリッカに限らず、PSCの全艇で軒並み実施されている。

ラミネート・ガラスをカットしてみて分かったが、長方形に変更した理由は他でもない、長方楕円形ではガラスの整形に時間がかかりすぎたためではないだろうか。(PSCにおける造船コスト削減の努力はポートに限ったことではない。例えばフリッカではほぼ同時期にギャリーとVバースの境に立ってマスト下のアーチを支える形になっているコンプレッション・ポストが、円柱形に細工を施したものから手間を省ける角柱に変更された点にも見て取れる。)

ガラスをブロンズ枠に嵌め込んだところ。

実際はグラインド中に何回も試着して様子を見た。




1枚1枚この作業の繰り返し。ブレイド・ライン(ロープ)のスプライスと同じで、根気のいる作業だ。

***

尚、ガラスを折る時はガラスの細かい粒々が飛び散ることもある。言うまでもなくガラスの表面は傷付きやすい。ガラスをひっくり返す時など、ガラスを作業台に置く前に、必ず毎回ガラス自体、および作業台の上からガラスの粒や粉を綺麗に拭き取っておくことが肝要。

(写真はいずれもPSC製434艇中295番 Serenity 関係のものです。)
日本のヤフー・フリッカ・グループ

2010年10月18日月曜日

綺麗なキャスリーン - インテリア

去る5月に売りに出た [キャスリーン] は1~2週間で新オーナーの手に渡った。今何処にいるのか分からないが、今年の夏も新しい海で大いに帆走を楽しんだことだろう。

今日はキャビン内を覗いてみよう。








ヘッド(トイレ)がVバースにあるオープン・レイアウト型なので室内が余計に広く感じられる。

個室ヘッド型ではちょうど奥のクッション一つ分が仕切られている。

もしかしたらクッション・カバーは新オーナーが既に取り替えてしまったかも知れない。







各舷3個づつのブロンズ製オープニング・ポート(窓)で室内は明るく換気も簡単。

ギャリーのシンク下とコンロ下のスペースに観音開きのドアが付いているのが珍しい。通常左側のドア部分は引き出しと引き出しに見せたドアのついた収納スペースの2段重ねになっている。

フット・ポンプがついているのでタンクからの水を汲み上げるのも楽だろう。



蛇口は二つある。











清水用と海水用か。その場合、海水は下洗いに使うが、両方とも清水で、ひとつは艇の清水タンクからの洗浄用、片方はシンク+コンロ下に付けた小さなタンクからの料理用・飲用かも知れない。

シンク+コンロ下のドアが観音開きなので、飲料水タンクが設置されていることは充分考えられる。

ポートに特製カバーを付けたところ。直射日光や人の目を遮るのに有効。






コンロの上に置いたまな板の手前、クォーター・バース入り口部分にハンドメイドのフォールディング・テーブルが見える。

フォールディング・テーブルを格納したところ。









綺麗にメンテの行き届いた艇は気持ちが良い。30年後も綺麗でいるだろうか。そうあって欲しい。

(写真はPSC製434艇中番数未確認、1980年製 Kathleen or Cathleen です。)
USヤフー・フリッカ・グループ

2010年10月17日日曜日

コックピットのないフリッカ - リストア進行中 10

前回付けた [コックピット・ソール(床)の合板] (ページ一番下の写真)にファイバーグラスを積層した状態。

ブリッジデッキ下にドレイン(排水口)を作り、そこも抜かりなく積層済み。

左舷側にも同じものが作ってあるにちがいない。

(注:下の後記参照。)










金具(ドレイン・ストレイナー)装着。

ソール下の配管がどうなるか楽しみだ。PSC後期フリッカのように、海面下両舷にスルーハルを開け [ホースを左右交差] (ページ5番目の写真)させて排水するのか、交差なし各舷直下型の排水か、それとも喫水線上のトランサムにスルーハルを開け、そこまでの長い配管になるのだろうか。  (注:下の後記参照。)


***

後記:以上コックピットの排水口の孔がコックピット前方にあると想定して書いたが、後日、この写真の孔はコックピット後方、トランサムのすぐ前にあることが判った。

(写真はいずれもPSC製434艇中、番数不明、1980年製フリッカです。)
⇒ 進展状況は [ここでチェック]

2010年10月16日土曜日

シングル・リーフ (Video)

風14.5ノット、もっと吹きそうなのでメインをリーフ。



オフ・シーズンなしで年中セイリングできるといいな。

(ビデオはPSC製434艇中295番 Serenity です。)
www.yachtworld.com キーワード欄にFlickaと入れてサーチ・ボタンをクリック。

2010年10月15日金曜日

タックして北北西へ (Video)

マリーナから約1.3マイル南東に来たところで北を振り返ると、いつもの海域にも西風が勢力を伸ばしているのが見えた。ちょうど2時20分頃。

何と毎日午後本格的な西風が吹き始める夏のパターンだ。タックして北北西に転針。9.5-10.2ノットの風、連れ潮で対地艇速5.5-6.0ノット。



ポートにガム・テープで貼り付けたビニール・カバーも問題なく良く耐えている。風はさらに11-12ノットにビルド・アップ。

(ビデオはPSC製434艇中295番 Serenity です。)
フリッカ・ホームページにある、今売りに出ているフリッカのリスト

2010年10月14日木曜日

10月9日土曜の風 (Video)

マリーナを出ていつものルートで北へ向かうが東風2-3ノットと完全にシーズンを外れたような風。



10分近くだらだらしていたが、逆方向の東南1マイル先にいた艇が南西に向けクロースホルドで帆走し始めたのを確認。海面もざわついている。機帆走でその海域に向かうと風は夏らしい西風に反転し、2-3ノット、4-5ノット、6-7ノットと見る見るビルドアップした。エンジンを5分間クーリング・オフして止め、帆走に入った時は9-10ノット。逆潮で対地艇速3.9-4.1ノット。

昨年まで計1-2回しか来なかったマリーナより南(東南)の海域も今年に入って来ることも珍しくなくなった。その分、帆走を楽しめる範囲が広がった。

(ビデオはPSC製434艇中295番 Serenity です。)
フリッカのリグ

2010年10月13日水曜日

オープニング・ポートライトのレンズ交換 2

家に一番近いガラス屋の見積もりはサイズに関係なく1枚60ドルだった。1平方フィート(30cm角)以下ならサイズの大小は関係ないのだと言う。税金も入れるとポート6個分で393ドル也。

2番目のガラス屋は約30年前、ベター・ハーフがステンドガラスを作っていた時良く利用していた店。1枚66ドル。こちらもサイズは無関係。

参考までに全6枚を自分でカットできる大きさ(余裕を見て28インチx16インチ)のガラス1枚の値段を訊ねると57ドル。自分で切ると約1/7の出費で済むという魅力的な数字。

***

しかし単純な一枚ガラスのカットならまだしも、ラミネートのガラスがうまく切れるだろうか。そこでガラス購入の前にベター・ハーフの励ましもあり、まず試し切りをしてみることにした。

30年前のガラス・カッター。オイルも筒の部分に入れられるオイル・カッターだ。ちなみにアメリカで購入した日本製。



取り外した2枚のガラス中、小さい方をテストに使う。カットする前に外周のパターンを取って保存。

まずガラスの端1/4位を切り落とした。










基本的には片面をカットし、ひっくり返して対面をカット、最後にカッター・ナイフで真ん中のPVBシートを切る。PVBはまさに切るという作業だが、ガラスは周知のように切って(傷をつけて)折り取るという感じ。

その後カットした辺の両端を斜めに落とした。ガラスは小片を切り取る時の方が難しい。






切り取った後、一角を手持ち電動ツールでグラインドして丸めてみた。ガラスの左下のコーナーがグラインドした部分。

テストの結果、カットは表のガラスと裏のガラスにマジックで引いたガイド・ラインにズレがないこと、オイルを切らさないこと、当てのスチール製定規がぶれないようにしっかり押さえて一気に切ること、などを守れば、思ったより簡単に切れることが分かった。心配した中心部のPVBシートのカットも難しいことはない。グラインドもグラインダーを軽く当ててじっくりゆっくり作業していけばうまくいきそうだ。

***

ここで念のためもう2軒のガラス屋から見積もりを取る。すると、同サイズ(28インチx16インチ)のガラスが1軒は45ドル、最後の1軒は何と28ドル。

家での作業がうまく行けば、レンズ1枚あたり約5ドルで仕上がる。品物が店に届くまで約1週間かかるが、店の応対も良かったので即注文した。届くのが楽しみだ。

(尚、最後の店でレンズ6枚を形に切ってもらう場合、税金込みで計220ドル。つまり最初の2軒の店の約半額。値段はあってないようなもの。最低3-4軒はあたってみるに限る。)

(写真はいずれもPSC製434艇中295番 Serenity 関係のものです。)
フリッカ・スペックのページ

2010年10月12日火曜日

オープニング・ポートライトのレンズ交換 1

さあ、作業にとりかかろう。

ガラスを外すためにまずシリコン・ラバーのガスケット(パッキン)を外す。






最初は溝にねじ回しの先を差し込んで少しづつジワッジワッと起こして行くが、出てきたところを上につまみ上げれば後はいとも簡単に外れていく。

ガスケットの張ってある面が、雨風に晒されるキャビン外側になる面だ。

左が外したガスケット。

断面は約10mm四方の角型だった。







尚、同じ長方楕円形(陸上競技場のトラック形)ポートでも、80年代後半のファクトリーでは断面直径約1/2インチ(12.7mm)の円形のものを使用していたようだ。

ポートが長方形の90年代の艇ではどのようなガスケットを使っていたのだろう。

次にガラスをフレームに装着するための内枠(写真真ん中のブロンズ製のもの)を外した。





内枠は小さいポートではビス6本、大きいポートでは同8本で留めてある。
緑っぽく見えるのは緑青。湿気に晒された部分だ。ちょうどポートを閉じた時、下に来る部分。

その部分の拡大。

ビスはブロンズ製ではなく、ブラス(真鍮)製。






同じ銅合金とは言え、真鍮は弱い。この部分2本のビスはヘッドに加え内枠に入っていた部分が殆ど赤くなり腐食していた。フレーム自体に入った部分は折れて残っている。

埋まったままのビスの残りは特殊な工具で取り出すことができるが、小生の場合、その上からドリルで孔を開けるようにして取り出した。

ビスは今回全部シリコン・ブロンズ製のものに取り替える予定。

最後にガラスを外す。












大きいポートライトも同様に分解。

こちらのビスは8本とも殆ど腐食は見られなかった。





ガラスの曇りも殆どない。しかし、ガラス周辺部に気泡のようなものが目立つ。これもラミネート劣化現象だろうか。

とにかくこの機会に全ポートのガラス、ビス、ガスケット、全てを取り替える予定だ。

外したガラス大小各1枚の断面。

いずれも厚さは1/4インチ。







この現物をガラス屋さん(複数)に持ち込んで見積もりを取る。

***

ポート(船窓)には開閉式と固定式がある。どちらも壁に開いた孔(ポートホール porthole)にガラス、レキサン、プレキシグラスなどを嵌め込んである。

ポートホールに直接嵌め込むガラス類そのもの、またはポートホールに押し付けて閉めるようになっているガラス類を嵌め込んだ蝶番付き窓枠のことをポートライト(portlight)と呼ぶ。

固定式ポートライトを特にデッドライト(deadlight) と呼んでいるのをよく見聞きするが、どうもそれは間違った使い方のようだ。開閉式とか固定式とか区別したい場合、opening portlight、fixed portlight のようにその旨指定して呼ぶのが正しいという。

また単にポートライトと省略すると一般に固定式のものを指す場合が多いという。ということは開閉式であることを特に明記したい場合、必ずオープニング・ポートライトと修辞することが必要ということだ。

尚、デッドライトと言えばポートライトの金属製カバーを指す ⇒ [閉じたデッドライト][開いたデッドライト(上に開いた金属製のカバー)]

セレニティーの場合、どのポートも開閉式。表題は上の定義からすると、オープニング・ポートライトの交換、と呼ぶのが正しいことになるが、それだとブロンズ製の枠も交換するように聞こえる。ガラス(レンズと呼ばれる)の交換ということを強調したいので、ここからは表題をオープニング・ポートライトのレンズ交換にすることにした。

(写真はいずれもPSC製434艇中295番 Serenity 関係のものです。)
フリッカ・ホームページの歴代カバー写真

2010年10月11日月曜日

オープニング・ポートライトのレンズ交換準備 5

ポートホールの開口部は用意して来た合板で塞いだ。

板の周りはパテを使って水漏れしないように処理。









板中央部のアイに結んだタイを掛け、そのタイを対舷のポートの締め込み金具(この写真で下にぶら下がっているものと同じ)に掛けたバンジー・コードで引っ張った。

無論外側からもパテを充当。











他人の余計な興味を引かないよう、ブロンズの外枠の上に黒いビニールを張ってガム・テープ留め。





左舷後ろの大きいポートも同様に処置。










(写真はいずれもPSC製434艇中295番 Serenity です。)
フリッカ・ニューズレターのページ

2010年10月10日日曜日

オープニング・ポートライトのレンズ交換準備 4

ポートのレンズ(ガラス)は真ん中にPVB(ポリヴァイニール・ブチラル)のプラスチック・シートを挟んで2枚のガラスを両側から積層接着(ラミネート)したいわゆるセイフティ・グラス。自動車のフロント・グラスと同じだ。

仮に割れてもヒビが入るだけでフレームから落ちてくる心配がないので安全。しかし新艇時から26年も経つと劣化がめだつ。

セレニティーでは全6枚中、2-3枚、特に左舷の一等前、このガラスの曇りがひどい。






曇りは長年の間ガラスのフレーム内に雨や海水スプレーなどの湿気が浸み込み、レンズの断面(ラミネート部分)からレンズに浸入、ガラスに挟まれたPVBシートを劣化させて起こる。

同じポートを外側から見たところ。











同、内側に開いたところ。











二つの蝶番部に1本のブロンズ棒が差し込んであり、両端に一本づつコター・ピンを入れて抜けないようにしてある。分解は簡単だ。

コター・ピンを外して、ブロンズ棒を引き抜きガラスの入っているフレームを外した。






ブロンズ製なのでズシリと重い。このフレームごと家に持ち帰り、ガラス交換をする。

ポートは全部で小4個、大2個。とりあえず各1個づつ持ち帰って新しいガラスの手配をしよう。

(写真はいずれもPSC製434艇中295番 Serenity です。)
フリッカのデータベース